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2015年9月24~29日 屋久島

 24日 8:30 鹿児島南埠頭発のフェリー屋久島2で屋久島の宮之浦港へ向けて出港です。天候は晴れたり曇ったりですが、風は穏やかで約4時間の航海を楽しみました。

 24日 12:30 屋久島の宮之浦港に入港です。屋久島の天候は晴れ。明日25日から2日間屋久島での初ダイビングです。

屋久島近海の海底地形図です。

東側に比べ、西側が急激に深くなっています。

屋久島で撮影した動画&静止画です。

伊豆では観れない魚もいっぱい写っています。

2015.9.25(1本目)
ポイント/観音崎
天気/晴れ
気温/29℃
水温/26℃
透明度/30m以上
EN/9:50→EX/10:30(40分)
最大水深/43.3m
平均水深/17.7m
12ℓスチールタンク

 「観音」と呼ばれる岬に沿って回るポイント。通常はニザダイ科魚類やグルクンなどの群れを見ながら潮に乗って流すダイビングが多いそうだが、深場の水底は珍種の宝庫。黒潮が当たるため時に激流となるらしいが、今回流れはほとんど感じませんでした。

今回お世話になった DIVE ANCHOR の福山さんです。

 ヘルフリッチ(シコンハタタテハゼ)、ハタタテハゼに似ていますがかなりレアな魚です。普通は水深40メートル付近の限られた地域にしかいません。黄色と紫で本当に綺麗な魚で、図鑑で見るのと生で見るのとでは感動が違います。大きさは7センチくらいまでになります。共生ハゼとは異なり過去にエビが掘った穴に住んでいて(ハタタテハゼと同じです)、ペアで住んでいることもよくあります。動きはアケボノハゼとほぼ同じで、ハタタテハゼより穏やかに動きます。

屋久島の地質です。赤い部分は花崗岩で出来ています。

 屋久島の中心部に赤く塗られている部分は屋久島花崗岩と呼ばれる花崗岩で、1600~1500万年前に地下深くにあったマグマだまりの化石です。大きな正長石を含むのが特徴です。屋久島の中央部にそびえる山々は、すべてこの花崗岩でできています。この周囲にある青色や黄色でぬられた帯状の地層は4000万年ほど前にできた、付加体と呼ばれる地層で、黄色は砂岩、青色は泥岩です。東部の田代海岸にはきれいな枕状溶岩も見られます。屋久島花崗岩の熱で焼かれ硬くなっています(赤点部分)。このため屋久島の周囲は海に切れ落ちる断崖が多いのです。屋久島花崗岩の上の地形の緩いところを、北側の海中にある鬼界カルデラから約7300年前に噴出した大規模火砕流堆積物が覆っています(オレンジ色)。この時に、屋久島は焼け野原になったと考えられ、樹齢数千年と考えられている屋久杉は、この火砕流襲来直後に成長したものかもしれません。

2015.9.25(2本目)
ポイント/オツセ
天気/晴れ
気温/29℃
水温/26℃
透明度/30m以上
EN/11:41→EX/12:32(51分)
最大水深/29.8m
平均水深/15.5m
12ℓスチールタンク

 永田エリアのメイン・ポイント。花崗岩の一枚岩が陸上から水底まで続く様子が圧巻です。人気のある小さな生物から回遊魚の群れまで楽しめるポイントです。30m以深の深場も面白い様です。

 ちょっと前まで和名が無くピンクスクワットロブスターと呼ばれていたが、最近素敵な和名がつきました。ミズガメカイメンの横などについていて同じような色なので見つけにくいです。名前の通り桃色というか紫色の体にふさふさな毛が生えています。

 今回お世話になった屋久島のダイビングショップです。福山さんご夫婦でやっています。屋久島でダイビングするのは初めてだったので、インターネットで検索してみました。いくつかあったショップの中でアットホームな感じとレスポンスが良かったのでANCHORにお世話になることにしました。

 めちゃくちゃ明るいまなみさんとANCHOR社長の陽太君8ヶ月です。昼食の手料理はとても美味しかったです。

 子ヤギの他にネコの雅治くんと看板犬のこてつくんがいます。みんな自然の中でのびのび育っています。

 2日間でしたが大変お世話になりました。回りを気にせずに潜るのは十数年ぶりかと思います。伊豆も良いですが、たまにはこういうダイビングも必要だと通観しました。今度は違う季節に是非もう一度潜りに行きたいと考えています。その時は、またANCHORにお世話になろうと思います。皆さんも屋久島でダイビングする機会がある時は、ANCHORに頼めば楽しいダイビングが出来る事、昼食もが美味しい事、受け合いますよ。

 当初は27日に帰宅予定でしたが、台風21号の影響でフェリー屋久島2が2日間欠航したため29日帰宅となりました。この2日間を有効に使って屋久島一周や温泉めくりなど島内観光もできました。その時の写真もアップしたので興味のある方はご覧ください。

●2015年9月27日 04:37発表の台風21号の記事です。

「非常に強い台風第21号は、27日3時には沖縄の南にあって、1時間におよそ15kmの速さで西北西へ進んでいます。中心の気圧は945hPa、中心付近の最大風速は45m、最大瞬間風速は60mで、中心から半径150km以内では風速25m以上の暴風となっています。今後、台風は28日にかけて非常に強い勢力を維持したまま先島諸島に近づく見込みです。沖縄地方では、台風の接近に伴い、28日には暴風となり、猛烈な風の吹く所がある見込みです。沖縄地方では、台風からのうねりにより大しけとなっている所があります。28日にかけて、沖縄地方では猛烈なしけ、奄美地方では大しけとなる所があるでしょう。28日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は、沖縄地方45m(60m)。予想される波の高さは、沖縄地方13m、奄美地方6mの見込みです。沖縄地方では、暴風や高波に厳重に警戒してください。奄美地方では高波に警戒が必要です。また、28日にかけて台風の影響により潮位が高くなる所があります。海岸や河口付近の低地では、高潮による浸水や冠水に警戒してください。」とのことでした。ちなみに、27日に与那国では風速81.1mを観測したそうです。

●28日早朝に桜島が噴火したときの記事です。

「鹿児島地方気象台は28日、鹿児島市の桜島・南岳山頂火口で同日午前2時33分に噴火が発生し、噴煙が火口から2,700mに達したと発表した。南岳で噴煙が2,000m以上に達したのは、2011年2月7日に2,000mまで上がって以来。気象台は、南岳山頂火口から約2kmの範囲で、噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけている。桜島の昭和火口では今年に入って、730回以上の爆発的噴火が発生。南岳でも、13日の小規模噴火で噴煙が火口から1,000mの高さに達した。」

 延泊初日は島を一周してみることにしました。先ずは、白谷雲水峡登山口を目指して宿を出発です。白谷雲水峡は宮之浦川の支流、白谷川の上流にある面積423.73ヘクタールの自然休養林で、宮之浦から約12km(車で30分)、標高620mのところに入口があり、推定樹齢3,000年の弥生杉・奉行杉・七本杉など太い屋久杉も見られ、樹上にはナナカマド・コバンモチ・カクレミノ・サクラツツジ・タイミンタチバナなどが着生しています。渓流沿いにはサツキ・ホソバハグマ・ヤクシマショウマなどがみごとな群落をつくっています。また、花崗岩の隙間を流れ落ちる飛流おとしなど至るところで見事な滝が見られます。原生林鑑賞コースは、1時間、3時間、4時間があるそうです。

 江戸時代の伐採の歴史を残す楠川歩道。かつては伐採された屋久杉を運ぶために造られた石畳の楠川歩道は長い年月人々の安全を守ってきてくれた道です。そしてその先には、屋久島でも屈指の苔の森があります。「もののけ姫の森」と呼ばれる森の辺りは、宮崎駿監督が何度も足を運び、映画「もののけ姫」の森のイメージをつくりあげていったという話もあるほど。映画の中でも白谷雲水峡の森を描いているシーンがあります。辻峠からトロッコ道側に少し下ると辻の岩屋があります。太鼓岩と合わせ、映画「もののけ姫」のモロ一族の住む岩屋のモデルになったそうです。

 次に千尋(せんぴろ)の滝に行きました。年間を通して屋久島に降る多量の雨は、いく筋もの川となって岩や山を削り、海へと注ぎます。千尋の滝は、モッチョム岳の裾の巨大な花崗岩の岩盤を鯛之川が刻んで、壮大なV字谷の景観をつくりだしたもので、滝の落差は約60mです。中央から大量の水が流れ落ちる屋久島を代表する滝のひとつです。海から山へと急激に変化する屋久島のランドスケープの大パノラマを見ることができます。滝の左側にある岩盤は、まるで千人が手を結んだくらいの大きさということで「千尋の滝」と名づけられました。昔から人が両手を広げた長さを“一尋”と呼び、身体のモノサシとして使っていたことに由来します。雨の降った後など増水しているときは、迫力のある滝の姿を見ることができます。展望所からはやや遠望になりますが、その雄大な姿は十分満喫できます。展望所は標高270メートルにあり、滝の反対側では原集落と太平洋が一望できます。滝の南側の高台が展望台になっており、車で容易に訪れることが出来ます。ここから登るモッチョム岳は標高944mで、照葉樹林帯から杉樹林帯まで素晴しい自然が残されています。登山道沿いでは万代杉などの大きな屋久杉も見られます。

 モッチョム岳(944m)屋久島三大岩壁のひとつです。高さは940mですが県道間近からそそり立つ急峰と荒々しい岩壁のため、その存在感は格別のものがあります。屋久島の南部に位置する花崗岩からなる山で、漢字では「本富岳」と表記しています。初めてこの山を眺めた人は、この山の一枚岩に圧倒されるはずです。登山道入口は千尋の滝にあり、沢を越え休み無く急登が続きます。万代杉・モッチョム太郎と杉の大木を見て神山展望台にたどり着き、ここから尾根を伝うように進み、 最後にロープを掴んで這い上がるとモッチョム岳山頂です。山頂からの展望は雄大で目の前に太平洋が大きく開け、左手には種子島、真下に集落と海岸線の展望はまさに鳥の視点になった感覚です。標高は高くありませんが、急傾斜で腕を使う部分もある厳しい登山道であるため「この山を登る事が出来れば屋久島の山は大概登る事が出来る」と言われています。
 モッチョムとは、地域の言葉で女性の秘部を表す言葉に由来すると言われています。日本一の陰陽山とも呼ばれ、山の西方からは陽、東方からは陰に例えられる姿を見ることができます。頂上巨岩の南側の岩陰には尾之間地区の岳参りの祠があり、この山が岳参りの「前岳」とされてきた歴史を持つことが分かります。北方の耳岳・割石岳とともに尾之間三山に数えられています。

<西方から撮影:陽>

<東方から撮影:陰>

 屋久島4大河川のひとつ栗生川の河口に発達した栗生(くりお)は、屋久島の中でも歴史のある集落です。江戸時代は唐通事(とうつうじ)と呼ばれる中国語の通訳が置かれるなど、琉球や国内との重要な交易港になっていました。島で最初の高等小学校が開校したのもここ栗生で、明治28年のことでした。トビウオ漁など、屋久島南部随一の漁業の村として栄え、日本各地の漁船が寄港していました。今は560 人ほどの集落ですが、当時は2,000人近くが栗生で生活していました。人口が一番多かった昭和24年当時、1年間の収入を5,6月のトビウオ漁で稼いでいたという話も残っています。
 年平均気温が屋久島で一番高く、現在はポンカン(収穫は12 月)やタンカン(収穫は2月)などの柑橘栽培が盛んです。自然にも恵まれ分布の北限となるメヒルギ(マングローブ林によく見られる植物)、南九州一の落差を誇る大川(おおこう)の滝などがあります。栗生浜の観光地としての人気の秘密は、昼間の海水浴の他にウミガメの産卵があります。5月上旬~9月上旬の産卵シーズンには1日平均4~5頭が、多い日では十数頭が上陸すると言われます。七月中旬より孵化が始まり、運が良ければ産卵と孵化を同時に見れる事もあり、徐々にその認知度も広がりつつあります。また他にもトカラ列島をバックにとかし海峡に沈む夕日の美しさなど見どころがたくさんあり、年間を通して多くの旅行者が訪れる場所でもあります。

 大川(おおこう)の滝。屋久島の滝では水量規模とも最大規模を誇り、「日本の滝百選」にも選ばれている(平成2年4月28日選定)雄々しいイメージの滝です。九州一の高さをり、里にある滝としては一番大きく、88mの断崖から豪快な水しぶきをあげて滑り落ちる様はダイナミックで、その水量に圧倒されるようです。この辺りの地質は、堆積岩が熱変成してできたホルンフェルス(熱変成岩、接触変成岩)と呼ばれる岩石で成り立っています。滝壺の前まで歩いて行くことができ、マイナスイオンたっぷりの清々しさを間近に感じることができます。夏場は天然の涼をとるのに絶好の場所となっています。午後3時頃には滝にかかる虹が見れることもあり、屋久島の自然を感じる絶好の場所のひとつです。近くには名水100選にも選ばれ、飲めば健康にいいと古くから言われている「大川湧水」も湧き出しています。木々に囲まれた岩の間から間断なく湧き出るこの清水は、飲めば健康にいいと古くから言われています。

 西部林道。その名の通り、島の西側に位置しており山から海岸線までの急斜面を横切るように作られた長さ約12km(道幅の狭い部分で約9km)の林道です。屋久島の全てが世界遺産に指定されているわけではありません。世界遺産指定地域は島の中央部に集中しています。ここ西部林道は山岳部から海岸線まで連続して世界遺産地域に指定されています。林道付近は照葉樹の森になっています。 照葉樹とは、夏期に雨の多い暖温帯に多く、葉の表面から分泌されるクチクラが表面を覆う幕となって日の光を反射するため、葉が光って見える常緑広葉樹の総称です。照葉樹の仲間は樹冠が丸く盛り上がり空を覆うようになるために、落葉樹と比べて林内は暗くなり、鬱蒼とした森になります。ほとんどの人は車で照葉樹のアーチを通りすぎるだけですが、車から降りて歩くと鳥の声・ヤクシカ・ヤクザルとの出合、一本の木でジャングルのように広がるガジュマルの巨木も見られ、さらに林道から周囲を散策すれば照葉樹の森を堪能することができます。絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの自生地としても最大の地域で、標高300mより上には多くのゴヨウマツが見られます。この辺りの地形は急峻で、標高1,323mの国割岳まで、見事な植生の垂直分布が見られます。海の中も急に落ち込み、イセエビや魚などの豊かな漁場になっています。一時、大型観光バスが通れるように林道を拡張する工事が計画されましたが、反対運動が高まり白紙撤回されたそうです。

 昔から屋久島の奥座敷と讃えられる永田。目の前には東シナ海を、条件がよければ口永良部島、黒島硫黄島、竹島、開聞岳、大隈半島や水平線に沈む夕陽を観ることができます。永田浜は、屋久島の北西部に位置する永田集落にあり、花崗岩が風化した粗い砂の海岸です。永田集落にある「前浜」「いなか浜」「四ツ瀬浜」を総称して「永田浜」として登録されました。急峻な海蝕崖に囲まれた屋久島では数少ない貴重な砂浜です。ウミガメ産卵は、5月から7月にかけて見ることができます。周囲に人家が殆ど無いので夜になるとお天気がよければ水平線から山の稜線までを埋め尽くした星や天の川・運がよければ流れ星を観ることができます。

 延泊2日目は、温泉巡りをすることにしました。

 湯泊温泉は、浜辺に湧き出る秘湯です。大きな駐車場があり、脇に更衣室と書かれたプレハブのような建物が幾つかならんでいました。海岸の手前には小さな小屋のような休憩所であろう建物もありました。温泉への道の手前には寸志箱があり、その横には分析表があります。分析表を見てみると37.2度と温泉にしては低い温度です。ぬるめという事もあり刺激のないやわらかな感じで、たまに鼻をかすめる硫黄臭がします。湯量はそこそこで、あまり人が入っていないせいもありとても綺麗な湯でした。海岸沿いにある露天風呂で男女湯は申し訳程度の仕切りはありますが、とても低いためほぼ意味がありません。野湯と呼ぶには綺麗すぎ、日帰り施設と呼ぶには開放的すぎます。水着や下着をつけての入浴は厳禁のため、女性は湯浴衣を持参で行ったほうが良いでしょう。無人施設ですが寸志として100円払います。いつでも入浴が可能で、波の音を聞きながら、また夕日を見ながらの入浴ができる野趣満点の露天風呂です。近隣の平内海中温泉に比べると潮の干満の影響を受けず、人ごみはないのでゆったりと温泉が楽しめます。

 ここでは海底で平らにたまったはずの堆積岩がむちゃくちゃに褶曲したり逆転した様子や、泥岩層に残されたゴカイのような生き物の巣穴など(生痕化石)を見ることができます。

 屋久島には露天風呂・内風呂合わせて6カ所の温泉がありますが、その中でも海岸にあり干潮時4~5時間以内しか入浴できないというユニークな温泉が平内海中温泉です。屋久島の南端で海に面した磯の中から湧き出ています。海面下にあるため1日2回の干潮前後の5時間しか姿を現しません。そのため干潮時のみ入浴することができ、満潮時は海中に沈んでしまいます。これぞまさに本物の露天風呂の趣で、大自然の中での入浴を満喫することができます。混浴で3カ所ほどある窪みに溜まった源泉に浸かります。覆いがないので海も人も丸見えです。島の人は干渉時をしっかり把握しているので、入浴ができるころになると湯船に人が増えていきます。共同浴場という性質から水着や下着での入浴は厳禁です。ここに入浴するには、湯浴衣やバスタオルなどの用意が必要です。入浴料金は無料ですが管理人が整備のための寸志(100円程度)を求めています。混浴で特に脱衣所などは設けられていないため、岩陰で着替えることになります。昔湯治をするために掘ったという人口の野湯だとか、湯はまろやかで海に面しているというのに塩分のないお湯です。熱めの温泉らしく、湯はかすかに硫黄の香りがするやさしい温泉です。夜も入れるそうなので、満天の星空を観ながら浸かるのも良いかもしれません。

 「尾之間」の読みは「おのあいだ」。方言では「オナイダ」と言い、これは「仰いだ(見上げた)」を意昧するのだとか。世界遺産にも登録されている名峰モッチョム岳(940m)を仰ぐ尾之間地区に、こんこんと湧き出す名湯が尾之間温泉です。一軒家のような外観の温泉施設で、共同浴場は足元自噴の湯船です。温泉の質は薄い硫黄泉が微かに漂いトロトロ感が肌に絡むまさに美人の湯。お湯はかなり熱く1分位しか浸かれませんでした。表には足湯も設置されています。一般客は入浴料金200円で開放されていて、ふだん使いの地元の人たちは勿論、登山客や観光客の利用も多い公衆浴場になっています。なお、この施設ではシャンプーや石鹸は置いてないので持って行きましょう。
 温泉の歴史は古く約350年前、地元の猟師に鉄砲で撃たれた大鹿が傷を癒したのを見て、発見されたと言い伝えられるそうです。1843(天保14)年刊行の『三国名勝図会』で、「尾野間温泉」は、「温泉は少し薯臭あリ。治効一切の疾病を治すといへども、第一刀疵を癒すこと神の如し。」「かかる不思議の神泉なれば、此村の人民、常に浴する故にや、一生疾病の者なく、多く長寿なるとかや。貴に希有の神泉なリ。」と紹介されています。なお、『三国名勝図会』に掲載されている屋久島の温泉は、尾野間温泉と平内温泉の2か所のみだそうです。

 トローキの滝。漢字表記では「轟の滝」。鯛之川の河口にあり、落差約6mで海に直接落ちる全国でも珍しい滝(海岸瀑)です。海に直接落ちる滝は知床のカムイワッカの滝と屋久島のトローキの滝だけといわれています。滝の音の「轟き(とどろき)」から、「トローキ」に変化したといわれています。鯛之川の上流には千尋の滝や竜神の滝があります。滝壺は入江になっていて、海水魚がたくさん入ってきます。たまにイルカが入ってくることもあります。歩いて小道を下ってゆくとまずは数歩でカメラマークの立札があり、ちょうど滝が見える角度で木が伐採されています。滝の写真を撮るにはそこで十分かもしれませんが、そのまま更に下ってゆくと舗装道路は終わり木の根がでてるような道なき道になります。ちょっと足元が不安ですが、そこを数m進むと右手に滝、左手は荒波が押し寄せる海という風景が観れます。

 ベンケイガニ。河口部の葦原、土手などに住んでいます。水辺の石や土手に穴を掘って生活しているため、護岸整備等で河口近くの護岸がコンクリート化されると生息場所が失われてしまいます。この種のカニの産卵はというと、春から初夏にかけて交尾を終え、メスが約1ヶ月ほどお腹に卵(その数5万粒以上)を蓄えて守り、7月~8月の大潮(満月か新月)に抱卵したメスが海岸に集合し、体の半分くらいまで海水に浸かって体を震わせながら腹部を開閉、同時に卵の殻が破れゾエア幼生が放仔されます。その後、プランクトンとして海中で浮遊生活を送り、1ヶ月ほどの間に5度の脱皮を経てメガロパ幼生へ変態し、底生生活に移行します。メガロパは稚ガニへ変態して上陸、淡水域へ遡上・定着します。冬が近づき気温が下がってくると冬眠が始まります。こんなにいっぱい居て綺麗な赤色で直ぐ食べられそうですが、食べてもまずく食用にはならないようです。

2015.9.26(3本目)
ポイント/お宮前
天気/曇り
気温/27℃
水温/26℃
透明度/30m以上
EN/9:19→EX/10:05(46分)
最大水深/25.3m
平均水深/14.9m
12ℓスチールタンク

 浅場から深場まで全体的に魚影は濃いため、初心者から上級者までじっくりとフィッシュウォッチングが楽しめるポイントです。水深30m付近に無数のヨスジフエダイやカゴカキダイが群れるリーフがあってここが最も魚影が濃いです。

 お宮前のポイントは、漁港の対岸にある矢筈岬(やはずみさき)の中程に位置します。

 矢筈嶽神社(やはずだけじんじゃ):矢筈岬周辺は昔から海の難所として船乗りたちに恐れられていました。そのため、明治10年から岬の先端でランプを灯す「のろし灯台」が設けられ、昭和36年には一湊灯台が建設されました。岬西側に荒波の侵食により出来た天然の洞窟があり、矢筈岳神社は洞窟の奥に祠(ほこら)が祭られています。漁業と縁結びの神様と言われており、毎年2月15日には一湊集落を中心に漁業者も一緒になって、集落発展と大漁・航海安全祈願の例大祭が行われています。

2015.9.26(4本目)
ポイント/タンク下沖
天気/曇り
気温/27℃
水温/26℃
透明度/30m以上
EN/11:10→EX/11:54(44分)
最大水深/31.4m
平均水深/14.9m
12ℓスチールタンク

 屋久島の代表的なダイビングポイントで湾奥にあるため潮流もほとんどなく静かでのんびり潜れるポイントです。水深18m付近には国内でも有数のオオハナガタサンゴの大群落があり生き物の種類も豊富で見た目の魚影も濃く、季節によってはコブシメの産卵なども見られます。

 ピカチュウことウデフリツノザヤウミウシの親戚みたいな仲です。体色は濃いオレンジ色で黒い斑点が散在しています。そして4本の突起、またその先は黒くなっています。砂底のコケムシなどをエサとしています。生息環境はウデフリツノザヤウミウシよりミズタマウミウシに近いです。個体数はウデフリツノザヤウミウシほど多くはありませんが、ダイビングに通えば必ず見れるウミウシです。確率高く観察するなら、冬場12~3月の伊豆大瀬崎 / 湾内でも観られます。

 バイカナマコ(ナマコ綱マナマコ科の棘皮(きよくひ)動物)、沖縄ではガジマルと呼ばれています。中国では梅花参と呼ばれ超高級品です。日本国内でも砂袋・内臓完全除去済みは1kg¥98,000で販売されています。沖縄以南から西太平洋,インド洋に広く分布し,サンゴ礁に住んでいます。体長80cm,幅10cm内外にもなります。全身が熟したトマト色で、とくに腹側が赤く背面には褐色のまだらがあり、大きないぼ足が数個ずつ基部で合着して花形や星形になり、それらが不規則に散らばっているので全体がパイナップルに似ています。学名のananas(パイナップルの意)もここからきています。

一湊区の空撮

 尾之間温泉の足湯のすぐ横には子間姫龍神大神が祀られていていて、子宝祈願すると子宝に恵まれるといわれているそうです。

 今回も「屋久島ペンション 苺一笑(いちごいちえ)」さんにお世話になりました。苺一笑のご夫婦は私達夫婦と同年代で、とても気さくな方なので、自分の家に居るような居心地でした。料理も、どれを摂っても美味しく屋久島の家庭料理を堪能しました。2日も延泊となり大変お世話になりました。次回もまた泊りに行きたいと思っています。その時も、またよろしくお願い致します。本当にありがとうございました。

<24日 夕食>

<26日 夕食>

<25日 夕食>

<28日 夕食>

 9月29日、フェリー屋久島2が出港するそうです。屋久島は、まだまだ観るところがたくさんあるので心残りですが帰ることにしました。

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